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パタパタ単調な靴音が響く。談笑しながら通り過ぎてく生徒たちのなか私は立っていた。
SOS団は休業日。そういえば一人で帰るのは久しぶりだ。昼前に降り始めた雨は6限あたりにピークを過ぎてもうすっかりやんでいる。 「雨やんでよかったね。」
「まあ傘無かったから助かるけどさ。これじゃ部活はグランドかな…あーあ外周サボれると思ってたのに。」
喜んでるやつぼやいてるやつ。通りすぎる連中それぞれで抱く感想が違うらしい。
虹なんかでてない中途半端な曇り空。でも雨は降っていない。私は一人で立っている休みになんかするんじゃなかった。
今日、SOS団は臨時休業。理由は急に雨が降り出したから。昼休みにみんなに伝えてまわったせいで学食に行く暇もなかった。お腹が鳴りそうだ。
雲の合間から覗く透き通った青色の空。

「晴れちゃった…」

右手に握ってた折り畳み傘を下駄箱に放り込んで力いっぱい蓋を閉めた。玄関中に響きわたる悲鳴みたいな破裂音。

よし、帰ろう。

驚いて固まってる連中も少しひしゃげた下足箱もとりあえず今はどうでもいい。
私はキビキビ歩いて校門を抜けそこで一旦立ち止まった。
足元には水溜りにうつった太陽が呑気に揺れていて私はそれを思いっきり睨み付け
「覚えときなさいよ。そのうち粉々にしてやるんだから。」
なんて物騒なことを呟いて早足で坂を下る。
なぜかこみ上げてくる苛立ちは明日の朝まで我慢して一人でさっさと帰って行ったマヌケ面に思いっきりぶつけてやることにした。